ダイエットや筋トレに効果があるHMB。でも、その飲み方やタイミングについてどのように考えれば良いのか、よくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。
この記事ではHMB・HMBサプリの正しい飲み方や、いつ飲めば良いかなどについて背景も含めて解説します。
HMBを飲むタイミングはいつ?
HMBはいつ飲むべきなのでしょうか。
まずは、HMBの効果を実感するためのタイミングについて解説します。
筋トレ前
まずおすすめのタイミングとしては筋トレ前や運動前です。
HMBには、筋肉の分解抑制効果があります。
筋肉は常に合成と分解を繰り返していますが、実は筋トレをしている間に、筋肉は分解されてしまっています。
せっかく筋肉を鍛えるために筋トレをしているのに、筋重量が減ったり怪我がしやすくなってしまいます。また、分解が合成よりも多いと、筋肉がむしろ減ってしまいます。
しかし、筋トレの前にHMBを摂取することにより、筋肉の分解を抑制することができます。
HMBを摂取することで、ユビキチンプロテアソームという、筋肉の分解を促進する回路の働きを抑えることが可能になります。
これにより、筋トレでの筋肉の分解を抑えることができ、質の高いトレーニングを行うことができます。
筋トレ後
次におすすめのタイミングは、筋トレ後です。
筋肉は合成と分解を繰り返していますが、筋肉の合成が開始されるのは、まさに筋トレ後です。
よって、筋トレ後のタイミングで適切な栄養摂取を行う事が、筋肉の成長につながります。
筋肉の成長を促進さセル物質として、mTOR(エムトア)というものがあります。
HMBを摂取することにより、このmTORが活性化され、脳に対して「筋肉を作れ」という指令が出されます。
注意しなければいけないのは、筋トレ後にHMBさえ飲めばOKということではないということです。
HMBはあくまでも筋肉を作るように命令を出すだけですので、筋肉を作るための材料であるタンパク質をはじめとする栄養素を摂取しなければ意味がありません。
筋トレが終了したら、速やかにプロテインを飲み、それに加えてHMBを摂取し、その後の食事も充実させましょう。
また、筋トレ後にHMBを摂取することのメリットとして、筋肉の疲労を軽減する効果があります。
筋トレ後は筋肉が損傷を受けている状態であり、素早いリカバリーが求められます。
筋肉に疲労が残った状態では、次のトレーニングに影響を及ぼしてしまうからです。
筋肉の回復を促進し、万全の状態で次のトレーニングを行う事で、筋肉の成長スピードもアップします。
筋トレの強度については、個々人の目標や年齢によって異なりますが、軽めの筋トレであっても、しっかりその後に摂取することをおすすめします。
特に高齢になるほどに筋肉の量は減少する傾向にあります。
軽めの筋トレに加えてHMBを摂取することで、加齢による筋肉の減少を抑え、さらに増加させる効果が期待できます。
筋肉は年齢に関係なく成長することがわかっていますので、年齢を重ねて筋肉が減ってきたと感じた方には、筋トレにHMBをプラスすることをおすすめします。
朝(起床後)
そして、朝(起床後)もHMBを飲むタイミングとしておすすめできます。
朝(起床後)は、体内にエネルギーが残っていない状態にあります。これを飢餓状態といいますが、この状態においては、栄養を非常に効率よく吸収してくれます。
朝(起床後)にHMBを飲む場合も、やはりプロテインと一緒に飲むことでプロテインの効果を高めてくれますので、一緒に飲むことをおすすめします。
その後で朝食からの栄養をしっかり摂ることも忘れないようにしましょう。
↓おすすめのHMBサプリはこちら
↓女性に特におすすめのHMBサプリはこちら
HMBの正しい飲み方
以下では、HMBの正しい飲み方について解説します。
HMBはサプリメント(健康食品)ですので、飲むことで特別な害を体に及ぼす心配はありませんが、飲み合わせは意識する必要があります。
何と一緒に飲む?
まず、HMBを何と一緒に飲むかについて解説します。
プロテイン
HMB単体では筋肉を大きくする効果は必ずしも期待できないことから、筋トレ後にHMBを飲む場合には、プロテインと一緒に飲むことをおすすめします。
HMBがプロテインの代用になる、というような誤解をしてしまっている人が多くいますが、プロテインとHMBはそれぞれ違ったアプローチで筋肉に作用しますので、お互いに良さがあります。
ですので、一緒に飲むことにより、さらに筋肉に対する効果を発揮してくれます。
「HMBはプロテイン20杯分の効果」という表現をしばしば目にしますが、これはプロテインから1日に必要なHMBを摂取しようとした場合、プロテインを20杯ほど飲まないといけないということですので、HMBにプロテインの20倍のタンパク質が含まれているということではないので注意しましょう。
↓HMBとプロテインの詳しい違いはこちら
クレアチン
その他、HMBと一緒に飲むことをおすすめできるものとしては、クレアチンがあります。
クレアチンとは、アミノ酸の1種であり、体でも生成できるアミノ酸ですが、サプリメントの形で摂取するのが望ましいとされます。
クレアチンは、筋トレなどの、一瞬のパワーを要求されるような競技を行う際のパワーの発揮に効果を持つものであり、また筋肉のパンプアップ効果も期待できます。
クレアチンは単体で飲んでも効果を発揮してくれますが、HMBとともに摂取することで、さらに効果を発揮するという研究結果が海外で出ています。
HMB単体を摂取したのみの被験者と、HMBとクレアチンを併用した被験者では、後者の併用群のほうが筋トレの挙上重量や筋量の増加効果が高かったというものです。
また、有酸素運動を行った場合にも、効果があったとされており、運動を行う人にとっては大きなメリットとなります。
販売されているHMBサプリメントには、クレアチンが配合されている商品も多いですが、相性の良さからこうした配合になっていると考えられます。
クレアチンとHMBを別々に飲む場合、必ずしも同じタイミングで飲む必要はありません。
なお、クレアチンは1日の摂取量が5gとされていますので、単体で飲む場合にはこの量を目安にして、1日1回自分の中で決めたタイミングで飲むようにしましょう。
また、クレアチンが配合されているといっても、非常に微量だとあまり効果がないので、注意が必要です。
加えて注意すべき点は、医薬品との併用は慎重になるべきということです。現在医師から薬の処方を受けている方は、一度医師に確認したうえでHMBを飲むようにしましょう。
↓HMBとクレアチンの詳しい違いはこちら
1日に飲む頻度や回数
次に、HMBを1日に飲む頻度や回数について解説します。
HMBサプリは、錠剤タイプで販売されているのが一般的ですが、なるべく複数回に分けてこまめに飲むことをおすすめします。
その理由は、こまめにHMBを摂取することにより、血中のHMBの濃度を常に一定にキープすることができ、それだけHMBの筋肉合成効果や、分解抑制効果を実感することができる点にあります。
時間間隔としては、3時間から4時間に1回のペースで1日に2回から3回のペースで飲むことをおすすめします。
錠剤タイプであれば、例えば1日の推奨摂取量は6錠の場合は、2錠を3回に分けて摂取するようにしましょう。
HMBを飲む適切な量
ここからはHMBの適切量に関して解説します。
研究結果によると、HMBによる筋肉の増加効果を実感するためには、体重1㎏に対して38㎎の摂取が推奨されています。
つまり、体重が60㎏の人の場合は、60×38㎎=2,280㎎の摂取が推奨されます。
厳密に自分の体重から推奨摂取量を細かく算出するのは難しいでしょう。まずは自分の目標となる摂取量を把握したうえで、最低でもそれを超える量のHMBを摂取するようにしましょう。
基本的には1日3000㎎が上限とされておりますので、これを超えない数字であれば特に体に害を及ぼすものでもないので、特に心配はいりません。
また、市販されているHMBサプリは、メーカーによって摂取できる量が異なります。1日の摂取量が1500㎎というメーカーもあれば、3000㎎というものもあります。
まずは最低でも1500㎎を摂取できるようにし、少ないと感じるようであれば適宜量を調整しながら飲むようにしましょう。
HMBの飲み方・タイミングの注意点
HMBの飲み方・タイミングについての注意点はどのようなものがあるのでしょうか。
運動しない日も継続して飲む
HMBは筋トレの前後に摂取することで、筋肉の分解を抑制したり、筋肉の合成を促進してくれるという効果が期待できます。
まずは筋トレを行う日であれば確実にHMBを摂取しておきたいところです。しかし、筋トレをしない日であっても、HMBを摂取することを推奨します。
筋肉は筋トレをしていない時でも、筋肉は常に合成と分解、そして回復をしています。
よって、筋トレをしない日であっても、いつも通りにHMBを摂取して。血中のHMB濃度を一定に保っていくことで筋肉の合成を促進し、分解を抑制することができます。
筋肉が成長するメカニズムとして、筋トレにより筋肉に刺激を与える→適切な栄養を摂取する→十分な休養を与えるという流れがあります。
筋肉をしっかり休ませることが成長につながりますので、筋トレをしない日であっても、「休息もトレーニングの一環」という気持ちでHMBやプロテインなどのサプリメントは摂取するようにしましょう。
人によってトレーニングの頻度は異なり、ほぼ毎日筋トレする人もいれば、週に1回しかしないという人もいます。
筋トレの頻度に関係なく、毎日HMBを飲むことが筋肉への効果を実感できますし、むしろ週に1回しか筋トレしない人が1回だけしか飲まないのであれば、ほとんどHMBの効果を実感できないということになり、摂取してもしなくても同じということになってしまいます。
それではHMB購入するだけお金の無駄になってしまうので、しっかり毎日飲むということを意識しましょう。
お酒とは飲まない
HMBはお酒とは飲まないようにしましょう。
飲酒を行い、体内にアルコールが入ることにより、肝臓がアルコールの分解のために機能しますが、アルコール分解の仕事で手一杯になってしまい、HMBをはじめとする他の栄養素の代謝がされなくなってしまい、HMBの効果を実感できないまま体外に排出されてしまうことになります。
また、お酒を飲むことにより、睡眠の質が低下します。筋肉は寝ている間にも合成と分解を行っています。
寝ている時には成長ホルモンが分泌され、これが筋肉の成長や回復のために働いていますが、アルコールにより睡眠の質が下がることにより、成長ホルモンをうまく分泌させることができなくなります。
お酒を飲むと眠くなるものの、実は睡眠は非常に浅く、どれだけ長い睡眠時間を確保できたとしても、筋肉の成長を促すことができません。
成長ホルモンはその他にも体脂肪の燃焼や精神的なリラックス効果ももたらす重要なホルモンです。
サプリメントの効果を高めるためには、質の高い睡眠が必要であるため、お酒と一緒にHMBを摂取することは避けるべきです。
本気で肉体改造をしたいと考えている人であれば、しばらくの間お酒は断つというくらいの意識を持って良いでしょう。
完全な禁酒が難しいようであれば、まずはトレーニング当日と前日は飲酒を避けるようにしましょう。
他のサプリと併用もOK
HMBは他のサプリとの併用もOKなのでしょうか。これに関しては、問題ありません。
HMBの効果を高めてくれる栄養素は、プロテインやクレアチンなど様々ありますし、その他にも筋トレの質を高めたり、回復を促進してくれる栄養素があります。
HMBとの併用が禁止もしくは推奨されていないという栄養素はないので、他のサプリと併用しながら効果を高めていくことは可能です。
現在販売されているHMBサプリには、様々な栄養素が配合されているものもあります。
どのようなサプリと併用しようか悩んでいる人は、色々配合されたものを摂取すると良いでしょう。
様々な栄養素が同時に配合されているサプリの場合には、各栄養素がどれだけ配合されているのかをしっかり確認しましょう。
あれこれ栄養素が入っていると、一見お得のように見えても、各栄養素が微量しか配合されていないのであれば、あまり意味がありません。
HMBサプリを購入する際に一番必要なのはHMBです。
まずはHMBがどれだけ入っているかを確認し、そのうえで他の栄養成分も確認するようにしましょう。
HMBの飲み方・タイミングまとめ
以上、HMBの飲み方・タイミングについて解説してきました。
筋トレなどの運動習慣がなく、プロテインその他の栄養素を摂取するということをまずは大前提とし、そのうえでHMBを摂取することにより効果を実感することができます。
今回解説した内容を参考にして、HMBの効果をしっかり実感できるようにしましょう!